あなたはボクシングはお好きですか?
テレビで見た事がある人、実際に試合をまじかで見たことのある人、これからプロになってボクシングをしようとしている人等、様々な人がいると思います。
そして僕には元プロボクサーという経歴があります。
経験しないと分からないようなこともたくさんあります。
そんな僕が経験からボクシングのに関する事を書いていこうと思います。
ボクシング体験談の減量編
ボクサーは試合が近づくと試合をする以前に、まず減量という試練が待っています。
試合相手との戦いの前にまず自分との厳しい戦いが待っています。
この減量が本当に辛いんですよ・・。
試合が近づいてくると『あぁ・・今のうちに美味しいもの食べておこう』という心境になります。
しかし減量前に食べ過ぎるとただその後の減量が余計キツくなるだけなので、ビビって食べれません(笑)
僕の場合は3週間で7~8キロ落としていました。
そして減量の仕方というのは人によって違うので、誰かがやり方を教えてくれるものではありませんでした。
なので自分でぶっつけ本番で調整していくしかありませんでした。
デビュー戦の時はうまく落ちてくれたので良かったです。
減量中は水分も調整しているので常にのどが渇いているので、何かを食べたいという欲求にはかられませんでした。
むしろ水が強烈に欲しくなります。
その状態で見るお茶のCMとかもはただの仕打ちでしかありませんでした。
そして減量中に毎回必ず言うのは、『試合終わったらこの自販機の飲み物ぜんぶ買い占めて全部飲んでやる!』とか、『今なら風呂桶にジュース溜めて10秒以内に一気飲みできる自信がある』とか意味不明な事を言いだすようになります(笑)
そして軽量前日になると極限まで水分も絞るので、最後には手の平がひび割れてきます。
そして脱ぐと脂肪が一切ない筋肉だけの状態の身体が現れます。
あの身体に戻りたい・・(笑)
そんな感じで試合前日の計量が終わると、ようやく飲み物も食べ物も解禁となります。
まず計量が終わって真っ先にやることは飲み物を飲むことです。
後楽園の東京ドームシティ内にボクシングコミッション事務局があってそこで計量が行われるので、終わると下の階にボーリング場があるんですが、そこの自販機で飲み物を買って至福の時を過ごします。
そして試合前日は炭水化物中心の食事をよく噛みながらゆっくりと食べます。
長期間まともなものを食べていないので、いきなりドカ食いをすると消化不良を起こして試合当日のコンディションに悪影響が出てしまうので、考えながら食べます。
そうやって減量を乗り越え当日にはベストのコンディションで試合をすることができるわけなんです。
ボクシングの体験談試合編
軽量も無事に終わり次の日に試合に挑むわけなんですが、まず試合があるのは主に夜なんですが夕方前くらいに控室に入り当日軽量というのをします。
当日にあまり体重が増えすぎていると、身体が重くなりコンディションが悪くなり試合で良い動きができなくなってしまいます。
なので僕は計量から当日まで3キロ増以内に抑えるようにしていました。
そして控室でストレッチなどをしながら準備運動をしたりシャドーボクシングなどをしたりしながら身体をほぐします。
そして時間が近くなってきたらバンテージを巻いてもらいコミッションの人のチェックを受けバンテージにサインをしてもらいます。
そして自分の順番が来たら入場するわけなんですが、普通の人だとこの時に緊張をすると思うんですが、僕は緊張をしたことが一度もありませんでした。
それは日々世界チャンピオンの先輩のスパーリングパートナーをしていたり強い相手とばかり練習していたから緊張した事がありませんでした。
『いやいや、こんなのに負けるわけないでしょ』くらいの気持ちでしたから。
日々の練習で地獄を見ていれば、いざ試合の時も動じなくなります。
なのでプロのリングで戦おうと思っている人は練習っで地獄を毎日見ておいてください。
練習は嘘をつきませんし、練習でやったことしか試合ではできません。
むしろ練習でやったこと全てを出せるわけではないです。
練習でやったことの半分でも出せれば大したもんだと思います。
そんな中で勝ち上がっていかなければいけません。
僕は17戦目で勝てば日本ランキング入りだったのですが、17戦目にして人生で初めてダウンを喫し、人生初めてのKO負けを喫し引退しました。
ボクシングは命を懸けてやるスポーツです。
試合で命を落とすことだってあります。
やるならその覚悟がなければなりません。
ボクシング体験談後楽園ホール編
後楽園ホールはボクシングの聖地と呼ばれている所です。
試合の時は地下にある控室に入ります。
あの独特の消毒液のような香りが後楽園ホールの特徴です。
あの香りを和人一発で現役時代の頃にタイムスリップします。
中には売店などがありちょっとしたものが食べれたりします。
後楽園ホールには自由席指定席とありますが、後楽園ホールの暗黙の了解で基本指定席であろうがどこに座っていても大丈夫です。
ただそこの席の人がきたらどけばいいだけなので。
なので人気の試合でない限りは3000円の自由席のチケットを買って好きなところで見るといいです。
ただタイトルマッチなどの混雑が予想される場合は5000円か1万円の指定席を買うか、自由席のチケットでも早く行けば結構いい席で見る事ができます。
あとは立ち見が出るほど人気のカードがある場合、最悪2階のバルコニーみたいなところから観戦することも可能です。
ボクシングはやはり一度は後楽園ホールで生で見てみるといいですよ♪
まとめ
ボクシングは命がけのスポーツです。
だからこそ見るものを引き付け離さないのだと思います。
そしてテレビで見るのと実際に見に行くのでは迫力が雲泥の差です。
ボクシングが好きなあなたは一度生で見に行く事をおすすめします。
そしてこれから本格的にプロとしてボクシングを始めようと思っているあなたは人生掛けて全身全霊でやってください。
というわけでまた!(^^)!