近年ニュースを騒がせるようになった、”トー横キッズといわれる名前。
最近ではリンチ殺人事件や、ハウルという名の男性の行った淫行で逮捕されるといったような事件が、たびたび起き世間の注目を浴びているこの『トー横キッズ』と呼ばれる少年少女を含んだ集団。
そもそもこの歌舞伎町という街にはなぜトー横キッズといわれる少年少女が集まるのか?
そんな歌舞伎町にそういった人が集まる理由について、歴史を振り返りながら書いていきたいと思います。
歌舞伎町は誰でも受け入れてくれる街
筆者である僕も長年歌舞伎町で昼も夜も水商売をしていたため、歌舞伎町の人の流れというのを日中夜全て見てきました。
まず歴史から振り返りたいと思うのですが、そもそもこのトー横キッズのような人たちの出現は今に始まった話ではないという事です。
昔から歌舞伎町には家出をしてきた少年少女たちが集まる場所として存在してきた背景があります。
何かしらの家庭の事情で家出をしてきた少年少女、特に10代半ばの年齢の少女が圧倒的に多いです。
今はTOHOシネマがある場所は、昔はコマ劇場という50年以上の歴史ある大きな劇場がありました。
通称『コマ劇前』といわれていた場所が、今で言うトー横といわれるところでしょう。
昔からこの場所には年中家出少女が大勢いて、特に夏になれば終電後にコマ劇場の前に座っている若い女の子がいれば、それは大体家出少女というくらい沢山の10代の少女たちがこの歌舞伎町に集まってきた背景があります。
そしてこの歌舞伎町という街の特徴として、『誰でも何歳でもどんな人でも受け入れてくれる街である』という特徴というか風潮が昔からあります。
つまりどんな人にも居場所があるといった方が正確かもしれません。
家庭や学校で居場所を失った少女が目指す先は、誰でも受け入れてくれる居場所がある歌舞伎町なわけです。
そこには自分と同じような年代で同じ境遇の人や同じ目的の人が大勢いる為、そこに馴染むのにそうは時間はかかりません。
当時様々なそういった女の子たちと関わる機会もあり、そこに集まる少女の共通点として感じた事があります。
やはりまずは家庭環境が荒れている、または親が子供に対して無関心であるのと、寂しがり屋で依存体質で居場所が欲しい、自分を認めてくれる場所が欲しいという子がとても多いように感じました。
だからこそどんな人にでも居場所がある歌舞伎町というのは、そういった人からすると絶好の居場所だったのかなとも感じます。
彼ら彼女らがやっている事を良いとか悪いとかジャッジメントする前に、まずは『なぜそうなるに至ったのか?』の、そういった少年少女の人生背景から理解したいなと思いました。
実際のところ根が悪いと感じる人はいませんでした。みんな存在を認めて欲しくて最終的に歌舞伎町にたどり着いているように感じます。
歌舞伎町は誰でもお金が稼げてしまう街
全国各地から様々な家出少女たちが集まる歌舞伎町ですが、いくら誰でも受け入れるといってもお金がないとはやり生活ができないわけです。
しかし家に帰らずに歌舞伎町にい続けられるのは、家出してきた未成年の少女でも稼げてしまう街だからなのです。
それは当然様々な非合法なもののオンパレードですけど、やはりそういった少女達を稼がせる大人たちがたくさんいるのも歌舞伎町の実態としてあります。
だから家出少女たちが食いっぱぐれることなく歌舞伎町でも生きていけてしまうわけです。
居場所があってお金が稼げればますます家には帰らなくなるわけです。
そして同じような境遇の仲間も沢山いますし、共感してくれる人たちも沢山いるので、歌舞伎町から抜け出せなくなる人がたくさんいるわけなのです。
少年少女が歌舞伎町の経済の一部になっている
そして歌舞伎町のお金の流れの中に、この家出少女などの未成年の女の子たちが一枚噛んでいるわけなのです。
そういった未成年の子たちに援助交際を斡旋したりしてお金を稼がせ、みかじめのようなものを取る反社会的な人がいたり、様々な形で歌舞伎町の経済の歯車の一部になってしまっています。
そしてそういった援助交際をする目的で歌舞伎町に訪れる大人たちがいたりして、人るの循環として機能してしまっているのが実情です。
そしてその子たちの稼ぐ理由の一つになっているのが、ホストの存在だったりします。
身分証を偽造してホストクラブに遊びに行き、援助交際で稼いだお金で寂しさを紛らわせたりしています。
ホストクラブはお金さえ払えば、存在を承認してくれますし、話も聞いてくれますので、依存体質の子はどうしてもはまってしまう傾向があります。
まして親や周りから相手にされず、精神的に病んだりグレたりして家出して歌舞伎町にやってきた少女たちたらすれば、そういった空間は夢の世界に映るわけです。
ぞしてその上質な時間と感情がまた欲しくなりまた非合法な形でお金を稼ぎ、それをまたホストに使って感情や欲求をを満たすというサイクルが出来上がってしまいます。
そしてそこに依存してしまうので歌舞伎町からなかなか抜け出せなくなるのです。
すべては歌舞伎町が未成年でも稼げて生きていけてしまう経済システムになっている事が、トー横キッズといわれる少年少女たちが歌舞伎町からいなくならない大きな要因であると感じています。
その中で様々な人間模様があり、人間関係のトラブルで自殺してしまったり、生きていくために人格まで変わってしまい、犯罪に手を染めてしまうようなサイクルになっているのも実際あります。
なので歌舞伎町に昔からある目に見えない暗黙のルールや、文化や社会システム経済システムが変わらない限り、こういった少年少女達の最後の行き場としてこれからも君臨し続ける事になると思います。
まとめ
実際僕自身も歌舞伎町にどっぷり浸かっていたいた時代は歌舞伎町に染まる前とは人格が変貌し、気が付いたら非常に血の気が多い攻撃的な性格に変貌していました。
ただそうでないと生きていけない街が新宿歌舞伎町という街なのです。
なので様々な犯罪や非合法な事をして逮捕されていく人たちを、表面だけ見て否定批判したりすることは簡単です。
自分の物差しで人や出来事を表面的に推し量って、それに対して批判すればよいだけなので。
ただそれでは何の問題解決にもならないと思います。
まずなぜこういった少年少女が歌舞伎町に集まるのか?そもそも何を求めているのか?そしてそうなるに至ったのにはどんな人生模様があったのか?という所を見て、まずは相手を理解するところから始めないと、根本的な解決にはならないと感じます。
僕はこの歌舞伎町という街で本当に沢山の人生模様を見てきました。
沢山のトー横キッズといわれるような人たちも見てきましたし、昨日まで『またねー』と元気に言っていた人の命が、ある日突然失われるような出来事にも直面してきました。
そして悲惨な人生の成れの果ても見てきましたし、悲惨な家庭環境で生きてきた人もいました。
薬物に溺れる人も沢山見ましたし、目の前でリストカットをする人も見てきましたし、他にも挙げ始めたらキリがありません。
もはや歌舞伎町の人間博覧会が開催できるレベルだと自分では思っています。
しかし見方を変えたら歌舞伎町のような町があるおかげで、実は社会秩序が保たれているという事実もあるので、一概にこの街を全否定することは時期尚早ではあると感じます。
今回はそんな僕から見たトー横キッズといわれる人達がなぜ歌舞伎町に集まってしまうのか?について簡単ではありますが書かせていただきました。
ただこれは歌舞伎町の姿のほんの一部です。まともに書いたら分厚い本が出来上がります(笑)
全ての事を全否定することなく、いろんな角度から見て相手をまず理解する事に努め、どうしたら歌舞伎町や世の中が良くなるのかを考えていけたら幸いだなと感じております。
社会の闇の部分を知っているからこそ社会の光が見え、闇を知っているからこそ人の気持ち痛みが理解でき理解に努める事ができ、全ての事が当たり前ではないという感謝も生まれます。
なので僕は歌舞伎町での経験は宝物だなと個人的には感じています。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
また何か続編も書いていきたいと思います。
ではまた(^^)/